皮脂は皮脂腺で作られていて、皮膚表面で汗と混ざり、皮脂膜を形成し、皮膚表面における水分の蒸発を防いで皮膚の潤いを保ちます。これを保湿といいますが、皮膚において保湿力があるかないかは重要なポイントとなります。
充分に保湿された肌は、透明感を持ち滑らかで弾力性に富み美しいものです。しかし、保湿が充分でないと、皮膚は弾力性を失い、傷つきやすくトラブルも起きやすいです。乾燥肌やアトピーなどは保湿機能を損なった状態にあることを表しています。
皮脂の役割
皮脂は弱酸性のため、雑菌の繁殖を抑制しています。汗疹ができるのは、夏場の湿度と温度がともに上昇し、首筋や脇などに大量に流れる汗が皮脂膜を洗い流すことで、皮脂膜のもつ弱酸性のPHを損なうため、雑菌の繁殖を許し、炎症が起きてしまいます。
頭部において皮脂は毛髪の保護を担っており、毛髪に平滑性を与え、キューティクルが絡み合うのを防ぎ、剥がれ落ちないようにしてくれています。髪が濡れた時、短時間で乾燥してしまうのは、髪が長時間水分に浸されていると膨潤し、弱く切れやすくなっているのを防いでいるからです。
皮脂の過剰分泌
皮脂には皮脂の役割がありますが、過剰に分泌すると、毛孔を逆流して毛根周辺を油漬けの状態にしてしまいます。毛孔の根元にある毛乳頭も油漬けになってしまうと、この毛乳頭から栄養補給を受ける毛母細胞は大きなダメージを受けてしまいます。
皮脂は毛根鞘内にも充満し、毛根とこれを支えるない毛根鞘の摩擦抵抗を下げてしまい、髪が本来持つ固着力を低下させ、髪が抜けやすくなってしまうのです。